海外にモノを売る?「越境EC」とはなにか
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おはようございます!木曜日のテーマはECです。
2015年8月4日、マイクロアドという会社が、企業が台湾で「越境EC」を行う際の新サービスを発表しました。
IT pro「台湾での『越境EC』、マイクロアドが支援サービス」
株式会社マイクロアド
https://www.microad.co.jp/
これは国内企業が、台湾のECサイトで、商品を販売する際の支援を行うサービスです。市場分析、サイト設計・開発、ネット広告などのサービスがあります。
「台湾へインターネットを通してモノを売りたいけど、不安…」と考えていた企業には朗報ですね。
今回は、「越境EC」とはなにか?なぜ今拡大しているのか、メリット、越境ECを行う上でのハードルを企業の視点からまとめました。
越境EC拡大の背景
越境ECとは、外国語のサイトを設けて、積極的に「海外の消費者」に販売することです。
そして現在、越境ECの利用が拡大しています。
経済産業省の調査によると、2014年は
- 日本消費者による、アメリカ・中国事業者からの越境ECによる購入額は2 千億円(前年比8.9%増)
- アメリカの消費者による。日本・中国事業者からの越境EC による購入額は8 千億円(前年比13.0%増)、
- 中国の消費者による、日本・アメリカ事業者からの越境EC による購入額は1.2 兆円(前年比53.0%増)
となりました。
越境EC拡大の背景、特に日本の場合には、日本の人口減少があります。
日本の人口減少により、社会全体の個人消費が縮小します。
それにより、企業の国内の利益も縮小していくため、海外進出として越境ECを行うのです。
越境ECのメリット
越境ECを行うメリットとして、商圏が大きいことが挙げられます。
中国語のECサイトを開設すれば、中国の巨大な商圏を獲得できます。
さらに英語のサイトを開設すれば、英語のネイティヴスピーカー圏だけではなく、英語が理解できる人もそのサイトを利用することができるので、一気に商圏を拡大することができます。
海外で実店舗を構えても、その商圏は近隣の都市に限定されますが、越境ECの場合はそれ以上の商圏を、インターネット上で得ることができるのです。
また、越境ECは実際に店舗を海外に構えるよりも、初期投資が安くなるために、中小企業でも参入しやすくなっているのです。
越境ECを行う上でのハードル
しかしながら、国を跨いで取引をするので、日本よりも簡単に…とはいきません。
例えば言語ひとつをとっても、ECでは消費者にきちんと「言葉」で商品情報や注意事項を伝えなければなりません。
その際に、ビジネス用のきっちりとした外国語で伝えなければいけません。
さらに、越境ECでのトラブル、海外で商品が届かない、購入商品を使って怪我をした、などが起きた場合に、どういう対応していくのか、どういう保険に入っておくべきか、ということを、越境ECを行う日本企業は決めておく必要があります。
「越境EC」というと、海外と気軽にモノをやりとりするように聞こえますが、国を跨ぐ取引は「輸出」です。越境ECとは輸出なのです。
国内市場の縮小に苦しむ日本企業には、積極的でありながらも慎重にやるべきところは慎重にやって、越境ECに参加していけば、より成果をあげることができると思います。
参考
「期待される越境ECとそのリスク」竹内英二、日本政策金融公庫論集 第22号、2014年。
「台湾での『越境EC』、マイクロアドが支援サービス」IT pro by日経コンピュータ、2015年。
「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC 市場規模は12.8 兆円に成長~」経済産業省、2015年。
「本格的な越境EC時代到来、出店者に立ちはだかる4つのハードルとは」マイナビニュース、2014年。