絶版漫画が無料で読めるサービス「絶版マンガ図書館」
先週はAmazonが新たに始める「Kinedle Unlimited」という
定額制の電子書籍配信サービスをご紹介しました。
月々一定の金額を支払うことで登録された電子書籍が読み放題という
非常に現代的なサービスをAmazonを開始した一方で、
日本ではある漫画家が数年前からネットとマンガを使って
新しいサービスを始めようとしていたのでした。
絶版漫画閲覧サービス「Jコミ」
「ラブひな」という漫画をご存知ですか?
1998年から2001年まで少年マガジンで連載されていた大ヒットラブコメ漫画です。
私なんかはもろ世代にあたる訳なのですが
この「ラブひな」の作者赤松健氏が
2011年より開始したサービスが「Jコミ」です。
「Jコミ」は絶版状態の漫画、
または未単行本化の漫画の鑑賞ができるサービスです。
作品の途中に広告が挿入され著作者はその広告収益の
100%を得ることができる仕組みになっています。
「Jコミ」から「絶版マンガ図書館」へ
この「Jコミ」が2014年7月に「絶版マンガ図書館」と
名前を変えてリニューアルしました。
それまでの「Jコミ」が赤松氏の個人的な繋がりを起点に
絶版となったマンガを配信してきましたが、
「絶版マンガ図書館」ではユーザーからの資料の投稿を起点に
配信していく方向に転換していくことになるようです。
そのしくみを簡単に説明すると
1.ユーザーが見たい絶版作品の”資料”をアップロード
2.その資料をJコミが開発した「絶版判定アルゴリズム」にで自動的に絶版であるかどうか振り分け
3.最後に目視で判断
4.ランダムに選択した作品中の5ページを電子透かし入りで掲載
5.作者(もしくは遺族などの権利者)が公開を許可すれば、全ページを無料公開。
という流れになっています。
最後に
しかし、この「絶版マンガ図書館」はビジネスとしては成立しておらず、
運営を行なう株式会社Jコミ自体は
2013年6月の次点まで赤字であることが発表されており、
その赤字は社長である赤松氏のポケットマネーで
補填されていることが明らかになっています。
つまりむしろこの「絶版マンガ図書館」はビジネスというより
赤松氏のボランティアとしての側面が強いのだと思います。
しかし、コンテンツが溢れかえる現代において
日の目のあたらなかった作品をユーザーが鑑賞可能な状態にし、
保護しようというサービスは評価されるべきものだと思います。
個人的には「Hulu」などの映像配信サービスでも
そのラインナップをみているとたまに
かつて日の目のあたらなかった映像作品を
再びユーザーの鑑賞可能な状態することが可能なのではないのか。
「絶版マンガ図書館」と同じことができるのではないのか。
と考えることがあります。
こういったアクションを起こすことができるのが
ネットを通じたコンテンツ配信ビジネスの非常に興味深い点だと思います。