全く新しいコンテンツ制作と販売のカタチ〜Avid everywhereが目指す新たな世界〜
2014年4月にラスベガスで「NAB 2014」という
世界最大規模の放送機器展が行なわれました。
そこで映像編集の機材やシステムを
開発・販売しているAvidという会社が
「Avid Everywhere」という構想を発表しました。
この構想が非常に先進的でEコマース的にも
非常に興味深いものだったので
今回はこちらを紹介していきたいとと思います。
Avid社は映像編集の機器・システムの開発を行なっている会社です。
かつては多くの映像制作のプロ達が
Avid社制の編集ソフトを使用していましたが、
近年ではApple社のFinealCutやAdobe社のPremierなどに押され、
映像編集ソフトに関して言えば少し影がが薄い印象があります。
しかし、Avid社制の音声編集ソフト「Pro Tools」は
未だに多くの編集スタジオで導入され
映像制作のプロ達に親しまれいています。
(映像制作では映像にナレーションや音楽を付ける際に「Pro Tools」を使います)
つまりAvid社は現在も映像業界の第一線で使用されるような
複雑な操作が可能なプロ向きのソフトを開発している会社という訳です。
そういった背景から、「Avid Everywhere」という構想自体
プロ向けのちょっとややこしいものだったのですが、
今回この記事を書くにあたって自分なりに
かなり噛み砕いて以下の様にまとめてみました。
・撮影した動画データをクラウドにアップ
・クラウドを上のデータを使用して編集作業が可能
→編集作業の協業が可能に
・公開されているプロジェクトであれば自由に協業に参加できる
・クラウドがマーケットに直結しているため、
完成した作品をそのまま販売する事が可能
「編集」という言葉は、近年テレビ番組でネタとして使われるくらいなので、
何となくみなさんイメージはつかめるのではと思います。
ざっくり一言で表してしまうと
「クラウドソーシング+コンテンツ配信」なんじゃないかな
と私は考えていました。
しかし、この記事を書いていく内に私の頭に浮かんできたのは
インターネット掲示板の「2ちゃんねる」と
その2ちゃんねるの「まとめサイト」。
それと数年前にはやった「電車男」でした。
2chという掲示板に投稿された不特定多数の書き込みから
情報をまとめていく事で一つのコンテンツとして成立する。
要は今流行の「キュレーション」ですね。
そう思うと「電車男」ってキュレーション的コンテンツの
先駆けだったんじゃないでしょうか?
「電車男」が最初書籍化された時、2ちゃんねるのスレッドを
そのままコピーしたものだったところなんかも
近年の「まとめサイト」に通じるところがあって非常に興味深いですね。
2ちゃんねるへの他愛無い書き込みのひとつひとつをまとめていく事で
最終的に一つのコンテンツとして成立していくように、
不特定多数の人間で一つのコンテンツを作り上げて販売する—
Avid Everywhereが実現されれば、
こういったコンテンツの制作の方法もあり得ると思います。
キュレーション的コンテンツの制作・配信は
今後のEコマースを考える上での大きな「鍵」になっていく、
もしくは「もうなっている」のではないでしょうか。
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本日の更新者:
鶴岡
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