Amazon FreshにLINE WOW、オンデマンドECとはなにか
【こちらの記事は、約4分程でお読みいただけます。】
おはようございます!木曜日のテーマはECです。
先日、こんなニュースがありました。
「アマゾン、日本で生鮮食品の宅配「アマゾンフレッシュ」検討−食品スーパーと提携交渉」(日刊工業新聞、2015年8月7日)
この記事によると、アマゾンジャパンが、日本で生鮮食品などの宅配「Amazon Fresh」の展開を検討しているということでした。
日本でもネットスーパーが広まっています。
しかし近い将来、本当にAmazonが生鮮食品を宅配するようになったら、既存のネットスーパーとどのようにシェアを争っていくのか、非常に興味深いです。
このAmazon FreshのようなECサービスは、特に「オンデマンドEC」と呼ばれています。
耳慣れない言葉ですが、今回は「オンデマンドEC」とは一体何なのかを学びます。
オンデマンドECとは?
オンデマンドECとは以下のようなことを指します。
オンデマンドECとは、利用者の需要に即座に対応することをコンセプトに掲げ、商品の注文が確定してから数時間、あるいは一時間内、遅くとも即日、といった迅速さで配達を完了させる電子商取引(EC)サービスの総称である。あるいは、そうしたサービスの概念である。
オンデマンドECは、いわゆる食品のデリバリーサービスや、ちょっとした日用品・食料品の注文などの分野を中心に、米国などで盛んになりつつある。
(IT用語辞典バイナリより)
最近は、食品や日用品など、日常の細かなものを届けてくれるサービスも珍しくなくなりました。
そういったものの宅配サービスで、「スピード面での差別化」を行っていくのがオンデマンドECです。
日本のオンデマンドEC
冒頭で紹介したAmazon Freshは、日本ではまだ実施されていないオンデマンドECです。
では、日本で実施されているオンデマンドECは何があるのでしょうか?
代表的なものは「LINE WOW」です。
都内で「LINE WOW」と書かれたバイクを見かけた方もいるのではないでしょうか。
LINE WOW
http://wow.line.me
通信アプリのLINEが運営するこの「LINE WOW」は、フードデリバリーと買い物代行の2つを行っています。
- 今すぐ配達(フードデリバリー)
人気料理店のテイクアウトメニューを、お店に代わって即時配達するサービスです。
サービスエリア内にある厳選された人気店のテイクアウトメニューを、注文確定から約30分~1時間以内に届けてくれます。直接、お店に食べに行けない時などに便利です。
- おねがいWOW(買い物代行)
指定の商品を購入し、自宅やオフィスに届けるサービスです。
配達エリア内であれば、デパートやコンビニなどの商品も注文可能で、こちらも注文確定から約30分~1時間以内に届けてくれます。
http://wow-blog.line.me/archives/1023101055.htmlより
使ってみたいと思ってみた方も多いと思いますが、LINE WOWの配達範囲は現在、渋谷区、千代田区、中央区全域と港区、新宿区の一部に限られています。
現在は対象地域が都心のみとなっているため、それ以外の地域ではまだ利用ができないようです。
オンデマンドECのこれから
先に述べたAmazon Freshも、アメリカ国内の一部都市のみが利用対象になっています。
オンデマンドECは迅速性という面では優れているものの、まだまだ良くも悪くも地域密着型のサービスです。
特に日本の都市部では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットが多く、急いで買いたい時には自分で店舗に向かった方が早いです。
一方、地方では買い物するにも車で向かわねばならない地域もあり、いちいち準備が大変なので、オンデマンドECのようなサービスはニーズが高いと言えるでしょう。
ですので、地方でこのサービスを行うことができれば、より多くの人たちがオンデマンドECの恩恵を得ることができます。
しかしながら、まだサービス提供側の、特に地方での地盤が固まっていないため、その道のりは途上にあります。
本当にそのサービスを必要としている人たちに、サービスが行き渡ることができるのか、今後もオンデマンドECの動きを注視していく必要があります。
参考記事
「オンデマンドECは日本市場に浸透するのか - kaukul、LINEWOWの挑戦」(ecc lab、2015年5月18日)
「GoogleやAmazonも参入、熾烈を極める米国の即日配達ビジネス、日本の可能性は?」(TechCrunch、2014年7月30日)