会話の「間」を楽しむ方法
今日は「会話」についてお話ししたいと思います。
さて、みなさま、突然ですが、
「会話」を構成しているものはなんでしょうか。
まず、物理的には「自分(私)」「相手」、
次に、行為としては「話すこと」「聞くこと」です。
それだけなのに、単純明快、簡潔に、会話というのは成り立たせるのは難しい。
それはなぜなのか?
今日は、少し会話を難しくさせる要素「沈黙」についてお話ししたいと思います。
こんな場合ありますよね
最初に「沈黙」が起こる例を6つ上げたいと思います。
次に追って、1つづつ説明していきましょう。
【 例1 】
私 「どうもはじめまして…」
Aさん「はじめまして…」・・・沈黙・・・
私 「暑いですね…」
Aさん「そうですね…」
いやぁ~つらい!
お互い初対面の時は、どうしていいかわからないというのが、本音。
【 例2 】
私 「お客様からクレームがありました…。」
上司「バカモノ!!どうすんだ!!このデキソコナイがっ!!」・・・沈黙・・・
私 「すいません…」
上司「クビだ!クビだ!!」
キャァ~こわい!人格否定までされて…。
【 例3 】
私 「今任されている仕事が大変でどうしたらいいのか分からなくて」
同僚「そうなんだ…。誰かにどうにか仕事を分担してみたらどう?」・・・沈黙・・・
私 「もう頭の中パニックだよ。」
同僚「一度頭の中整理してみたらどう?言ってくれたら手伝うよ。」
パニクってますねぇ~。言葉にもできません・・・。
【 例4 】
私 「○○君とデートしたんだ。」
女友達「でっ!どうだったの!?」・・・沈黙・・・
私 「それがねぇ~・・・」
女友達「うんっ、うんっ」
気になりますね、話の続きが・・・。
【 例5 】
私 「実はいろいろあって先月離婚したんだ。」
女友達「そうなんだぁ~。」
私 「うんそうなんだ。誰にも言えなかったから、少し気持ちが楽になったよ。」
女友達「気持ち楽になって良かった。いつでも話し聞くからね。」・・・沈黙・・・
秘密事を誰かに言うと、ホッとしますよね。
【 例6 】
私 「○○君と仲良くやりたいのだけど…」
男友達「なぜ○○君とは仲良くできないのかなぁ?」
私 「何でだろう…。」・・・沈黙・・・
私 「自分が悪いのかなぁ~うぅ~ん。」
・・・沈黙・・・
考えてます!自分と闘っている最中です。
沈黙の種類
上で、6つほど例をあげました。一つ一つ見ていきましょう。
・【例1】では、初対面の人とのファーストインプレッション。
緊張しますね。
何かお話しして盛り上げないといけないという気持ちにもなりますし、
また、興味の無い話をして、空気が悪くなるのもいやだし…とも思います。
笑われたり馬鹿にされるようなお話しをしてしまったらどうしよう
と不安にもなります。
その戸惑い、不安、恐怖から、沈黙が生まれます。
・【例2】は、相手の人に、自分が発した言葉に対して、否定されます。
また、失敗した行為だけではなく、人格に対しても否定されてしまいます。
その場合、本人は、相手の否定的な言葉を、受け入れることができません。
また、その言葉を発している人自身を受け入れることができなくなります。
拒否してしまい、沈黙が生まれます。
・【例3】は、悩みまくってますね。
考えに考えて、頭の中のことが言葉にできなくて、悩んでいます。
どう表現すればいいかわからないことから、沈黙が生まれます。
・【例4】は、ドキドキの間。
話の流れを、少し余裕を持ってお話しすると、
興味を誘うお話しになります。
沈黙を持つことで、相手に「次どうなる?!」と期待させます。
・【例5】は、秘密事を打ち明けることでホッとした瞬間です。
どんな人でも、秘密事をしているのは、つらいものです。
それを打ち明けると心に決め、言葉として発した瞬間、
張り詰めていた気持ちが緩みます。
ふぅ~っと、息を抜いた時に、沈黙が生まれます。
・【例6】は、心の中で、色々考えています。
自分自身と「あぁ~でもない、こ~でもない」と会話中です。
自分自身との会話中にも、沈黙は生まれます。
※【例3】と【例6】の沈黙は似ていますが、少し違います。
共に、考えているように見えますが、
【例3】では、頭の整理ができずに悩んでいます。
一方、
【例6】では、言葉にすることはできるので、
こうなのか?と、事を冷静に自分自身で考えています。
【例3】は「悩んでいる」、【例6】は「考えている」という状態です。
このように、沈黙にも、さまざまな沈黙があります。
ですので、一概に、
会話の中に沈黙が生まれたら「どうしよう…」と思うことはないのです。
「必要な沈黙もある」ということです。
会話は、同じ空間や時間を共有している
沈黙の種類が色々あることは分かりましたが、
「でっ、分かった所で、
沈黙になった時の対処法が分からなかったら、どうしようもない!」
と思ってしまいますよね。
今日のブログの最初に、「会話」を構成しているものとして、
「自分(私)」「相手」「話すこと」「聞くこと」を紹介しました。
会話の一部として沈黙も含まれるのですが、
実は、構成しているものとして、もうひとつ考えることができます。
それは、
「自分と相手とが、同じ空間や時間を共有しているということ」。
会話は、一人でしているのではなく、相手あってのもの。
沈黙も同じです。
沈黙は、自分自身と相手と生み出しているもの。
「会話は言葉だけではなく、言葉なしの沈黙も含まれている」と、
認識して下さい。
あと、余談ですが、
会話には身ぶり手ぶりのジェスチャーも含まれますし、手話もあります。
「言葉だけが会話だ!」と思わなければ、
沈黙も、意味のあるものとして受け止めることができると思います。
また、
沈黙ひとつで相手との関係性も変わってきます。
沈黙時、緊張してたり不安を感じていれば、相手にもそれが伝わります。
「緊張してるな」「どうしよう…って不安を感じてるな」と。
でもその時に、自分が、
「相手にどう見られたいか」によって、対処の仕方も変わります。
・男前に見せたければ、「堂々としていればいい」
・優しい人に見せたければ、「笑顔でうなずいて待っていればいい」
これは一例ですが、会話と同じです。
最後に、絶対にしてはいけない沈黙は、お分かりだと思いますが、
「否定や拒否をすること」
その後の関係が、良好な関係にはならない!と思ってください。
注意として、
コミュニケーションで、
相手を否定する事、受け入れない事、認めない事、
この3つをしても、相手との関係が密になる事はありません。
逆に、
相手との密な関係を築きたい人は、
「考える沈黙」や「悩みの沈黙」を生み出すことで、
安心感を与えることができます。
自分自身を受け入れてくれる人という印象を与えます。
終わりに・・・
私自身も、昔は、人と接することが苦手でした。
言葉を使うことももちろんです。
沈黙なんて、逃げたい!と思うぐらい嫌でした。
独りを好んでいました。
ですが、そういう人だったからこそ、
コミュニケーションや、言葉に興味を持ち、
産業カウンセラーの資格を取ったり、カウンセリングの勉強をしたりして、
「沈黙も会話である」ということを学びました。
すると、会話の沈黙が、とても楽しめるようになりました。
私は、
会話の中で、沈黙を自分自身で生み出すことありますし、
相手が生み出す沈黙も感じながら、会話を楽しんでいます。
どちらの沈黙も、「どういう意味があるのだろう」そう思いながら、
沈黙を観察します。
沈黙になった時に、人柄が一番わかります。
皆さんも、沈黙を不安なものとしてとらえるのではなく、
沈黙も会話のスパイス、コミュニケーションツールにしてみてください。
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