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デザイン教育を通して「問題解決力」を身に付けるために

2014年08月22日高田
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【こちらの記事は、約3分程でお読みいただけます。】

NPO法人クリエイター育成協会は、8月から新しい情報発信の場として、オンライン学習チャンネル「schoo」さんの公認団体になりました。

連続講座第一弾として、「中野色彩研究所のコスプレ色彩講座」の放送を始めています。

毎回、100人を越える視聴者の皆さんにご確認いただき、「気軽に楽しめるデザイン講座」として定着してきています^^。

昨日8/21の内容は、「色とデザイン」というシンプルなタイトルでしたが、『ディスプレイ画面内に収まるだけのデザイン=「パソコンでカタカタ指とマウスを動かすだけのデザイン」から解き放たれて、もっと世界を見ることでデザインの感性を身につけよう!』という、とても大事な内容を解説していました。

Webデザイナーというお仕事をしていると、画面内のツールを使うこと自体が、「デザインしている」ことと解釈してしまいがちになりませんか。そんな時こそ、デザインの考え方における本質・原点に立ち返ってみることが、スキルを高めるヒントにもなります。

本日は「デザイン」という言葉が当たり前になりつつある中で、教育上における「デザインの定義」について、考えてみたいと思います。

デザインは「技能」である

近年、私達の住む日本では、様々なものが手に入り、生きていく上でのほとんどの要素が「足りている」と考えられています。

多種多様な生き方が可能な中で、国として足りていないものは「デザインマインドを持つ人材」だけだ、などと世界からも指摘を受けるようになりました。

実は、デザインは「技能」であり、教育を受けることによって、誰もが身に付けられるスキルといえます。

この技能という言葉は、「ツール」という意味だけでなく、「センス」や「活かし方」も含めます。デザイナーという職業は、突出した才能を持つ一部の人だけがなれる特殊な職業と思われがちですが、それは、「見る・見られる」という部分に特化した、狭義のデザインで捉えたときの発想です。

そう捉えられるのも、無理はありません。今までは、「センス」や「活かし方」に関する教育を受ける機会が、子供の頃になかったため、デザイン=ツールという解釈をせざるを得なかったのです。

そこで、近年少しずつですが、日本におけるデザイン教育の在り方を変えようとする動きが見られるようになりました。デザインの本質に迫る学習を取り入れてはどうか、という声も、交わされ始めています。

デザイン教育の転換と活かし方

すでに初等教育では、デザインの教育が広まりつつあります。もちろんこれは、昔から私達が教えられてきた「図画工作」という授業の延長にあるデザインと、全く異なるものです。

算数・国語・理科・社会など、初等教育で子供たちが学ぶのは「知識」のみとなります。しかし、なぜその科目の知識が必要なのか、実際の現代生活に活かす「使い方」を教えてはいません。

これは、それぞれの科目を関連付けて学習していないことによる影響でしょう。連携して生まれるはずの「センス」や「活かし方」のイメージが、ぽっかり空いてしまっているのです。この点こそ、従来の教育における根本的な課題といえます。

知識や技術は、「スキル」であって、それだけがあっても機能しません。「学習する目的」が必要となります。その目的を成し遂げるには、自分なりのスキルを周りに表現し理解してもらおうとする「意志」、「理解・解決に向かうプロセスのイメージ」が必要となります。

算数・国語・理科・社会・体育などの科目は、具体的なスキルなのです。そのスキルをコラボさせて、自らに取り巻く「問題を解決する」ことこそが、「デザイン」の本質なのでは、と私は考えます。

問題解決のための「デザイン」を身に付けよう

逆を言えば、デザインを学んでいないと、実社会で「問題・課題」と認識できる事柄に対し、解決へ導くのが非常に難しくなります。

いざというときに知識を繋げて、自分なりの解釈で解決案を探す。それこそが、「デザイン」における一連の行動です。

まだまだ初等教育の知識は、「単に、進学や受験の判断のために身に付けてもらう」ことが目的となりがちで、「問題解決力を養うための学習」を目的としていません。

この目的のブレが、日本の社会性における問題の根源となっているように思えてなりません。

まずは、気付いて学びを見つめ直すことから始まります。
「デザインを教育する」環境づくりに、私達の団体も少しずつ貢献していきたいと考えています。

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