やりたいことが分からない!自分探しの旅(前編)
先週から、ついに梅雨らしいお天気になってまいりましたね。
気圧の変化で、体調が悪くなりますので、対策をしっかりなさってくださいね。
さて、前々回、前回と面接についてお話しさせていただきました。
「就職活動〜面接のコツ < 準備編 > 」
「就職活動〜面接のコツ < 本番編 > 」
今回の記事は、何度か面接をさせていただいていて、
「私自身が感じたこと」を取り上げてみたいと思います。
その「私が感じたこと」とは、
「何がやりたいのか分からない」「自分が何が向いているのか分からない」
と思いつつ、就職活動をされている方もおられることです。
実際に私自身も、過去に、仕事が決まることを目的として、
「何でも良いから仕事を決めたい!」と思いながら、
就職活動をしていたことがありました。
今や、仕事の選択肢がたくさんある中で、
「何が自分自身に向いているのか?何がしたいのか?」
そんな思いを抱く方も多いと思いますので、
そんな方々のために、今回は「青い鳥」という童話劇を取り上げ、
何か一筋の光を当てることが出来るように、お話をさせていただきます。
今回は前編として、
「青い鳥」のものがたりと「青い鳥が伝えたかったこと」の2点を取り上げ、
次回来週に、後編として、
「青い鳥」のものがたりが、就職活動にどう繋がっていくか…を
お伝え出来たらと思っています。
ですので、今回は、来週のお話に繋がりますので、要チェックですよ!
「青い鳥」のものがたり
さて突然ですが、みなさんご存知ですか?
1908年に発表された、モーリス・メーテルリンク作『青い鳥』童話劇。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E3%81%84%E9%B3%A5
日本語訳の書籍もたくさんでています。
〜 こんなお話です 〜
クリスマスイブに、
とても貧乏なチルチルとミチルが、(魔法使いの)老婆から、
「病気の娘のために青い鳥を探しに行ってほしい」と言われ、旅に出るお話。
チルチルとミチルは、
様々な国を回り、たくさんの怖い思いや経験をしながらも、青い鳥を探し続ますが、
最後まで、青い鳥は見つからずに、そのまま、一年間の旅が終わります。
そして、チルチルとミチルは、自分たちの見慣れた家のベッドで目覚めます。
すると、
(魔法使いの老婆そっくりの)隣のおばさんが訪ねてきます。
チルチルとミチルは、隣のおばさんが老婆だと勘違いしたまま、
青い鳥を見つけられなかったことを、隣のおばさんに報告すると、
隣のおばさんに、
「病気の娘が、またチルチルの持っている鳥を欲しがっている」と言われ、
チルチルは、思い出したように、以前から飼っていた鳥のところに行くと、
旅に出かける前より、鳥が青くなっています。
チルチルは、遠くまで青い鳥を探しに行ったけれども、
青い鳥が近くにいたことのすばらしさに気づき、娘さんに差し上げます。
その後、病気の娘さんは青い鳥を貰ったことで、病気が回復。
そして、青い鳥を抱いて娘さんと隣のおばさんがやってきて、
チルチルが、青い鳥にエサをあげようとしたその時、
青い鳥は、逃げて飛んでいってしまいました。
〜おわり〜
『青い鳥』が伝えたいこと
私自身が、「青い鳥」の作品から教わったことを記します。
-
モノに恵まれていなくても、幸せを感じることが出来る
青い鳥が、逃げて飛んでいくラストシーンで、チルチルがいいます。
「ぼくまたつかまえてあげるからね。どなたかあの鳥を見つけた方は、
どうぞぼくたちに返してください。ぼくたち、幸福に暮らすために、
いつかきっとあの鳥がいりようになるでしょうから。」
つまり、あの鳥がいた間は幸せだったということです。
-
幸せは自分から遠い場所ではなく、近くにあるということ
チルチルが、隣のおばさんに最後言います。
「これがさんざん探し回っていた青い鳥なんだ。
ぼくたち随分遠くまでいったけど、青い鳥ここにいたんだな。ミチル。
おばさん!娘さんに持っていってあげてください。」
-
青い鳥を探しに行く旅そのものが価値あるもの
チルチルとミチルは、いろんな国で、様々な困難に巻き込まれながらも、
たくさんのことを学びます。
- 「思い出の国」・・・「死ということ」
- 「森」・・・「自然に対する人間の行為」
- 「幸福の花園」・・・「物質的に満たされること」「一番の純粋な喜びは母の愛に対する喜びであること」
- 「未来の王国」・・・「生について」「これから生まれてくる子供たち」
等等。
そして、ラスト、
お母さんに起こされ目覚めてから、
たくさんの旅の出来事と、現実世界の違いを感じ、
現実世界が、とても満ちていることに嬉しく感じます。
旅することで、今までとは違う世界観を得ることが出来るのです。
-
人を思う気持ち
大枠の大枠をいえば、
老婆に「病気の娘さんのために青い鳥を探してきて」と頼まれることを、
素直に了解し、旅に出かけるチルチルたちの優しさもあるでしょう。
-
心の持ち方
幸せは、個人それぞれ、感じ方が違うということ。
娘さんにとっては、「青い鳥」
チルチルとミチルたちにとっては、「旅」「貧乏であっても今の生活」
-
本来の自分
病気の娘さんは、青い鳥を手に入れると幸せになれると思っています。
チルチルとミチルは、豊かな生活が幸せだと、最初は思っています。
彼らたちは現状を受け入れることが出来ず、満足していない。
そして、本来のあるべき姿を求めて、旅に出る。
本来あるべき姿は、自分自身が理想として思い描いている架空の姿。
では、今、実際おかれている自分自身の姿は・・・?
本来の自分を求めて、自分探しの旅に出ることで、
今の自分自身が恵まれている環境にいることを、振り返ること。
これも、伝えたいことの一つのような気がいたします。
終わりに・・・
いかがだったでしょうか?童話劇「青い鳥」。
おそらく、私が感じたこと以上に、作者が伝えたかったことは、
よりたくさん含まれているんだと思います。
私が感じたことはほんの一部。
そして、おそらく、
「青い鳥」を読んだ方々それぞれが、感じたこと、それもほんの一部。
正解なんてありません。
だからこそ、
それぞれが感じることを話し合うのも、
コミュニケーション能力アップに繋がりますし、
他人(ひと)を理解する能力にも繋がると思います。
人は、日々より幸せになりたいと思っています。
チルチルとミチルたちのように、幸せを見つける旅に出てみることをお勧めします。
さて、来週は
「やりたいことが分からない!自分探しの旅(後編)」として、
今回のお話を、就職活動や自分自身に置き換えて、お話をしたいと思っています。
来週もお楽しみに!
引用日本語訳:メーテルリンク著『青い鳥』堀口大學訳・新潮社・1960
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