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「高等学校学習指導要領」にみる、IT教育の早期取組みと将来性

2014年05月30日高田
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【こちらの記事は、約5分程でお読みいただけます。】

大人の皆さん、近年、高校生の選択科目が、とてもユニークなくらい細分化されてきていることを、ご存知でしょうか?
今日は、「高校生が学ぶIT教育」のカリキュラムについて、取り上げていきたいと思います^^。

こちらは高校生の教育カリキュラム「高等学校学習指導要領」となります。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/kou/kou.pdf

記載要項の9〜11枚目を見ると、「主として専門学科において開設される各教科」に
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【工業】:デザイン技術,デザイン材料,デザイン史

【商業】:情報処理,ビジネス情報,電子商取引,プログラミング,ビジネス情報管理

【情報】:情報産業と社会,課題研究,情報の表現と管理,情報と問題解決,情報テクノロジー,アルゴリズムとプログラム,ネットワークシステム,データベース,情報システム実習,情報メディア,情報デザイン,表現メディアの編集と表現,情報コンテンツ実習

【美術】:ビジュアルデザイン,情報メディアデザイン,映像表現
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と多岐に渉り、デザインや情報処理に関して整えられている印象です。
専門分野で必要になってくる頻度は違えど、高校生にも「プログラミング」や「ネットワーク」、「データベース」といった資格取得や手に職をつけることに直結する学習をすることで、「情報科」=「メディア」についての知識取得を目的としていた過去に比べ、より就職率にも影響を与えるカリキュラムに変わったのでしょうね。

又、「商業科」には、こうした情報処理科目の他に「マーケティング,商品開発,広告と販売促進」といった、リアル・マーケティングに特化したカリキュラムをすでに取り入れていることも面白いです。
以前は、大学で学ぶべきだったこうしたマーケの概念や実践的な取組みも、高校生の頭が柔らかいうちから学習できていたら、大学に入ったときに直接企業へインターンする際にも「即戦力」になりそうですよね^^。

すでに普及している「電子商取引」への理解

ネットショップに関する知識や実務経験が、直接企業への就職の間口に繋がるほど、リアル店舗とネット店舗の相互理解の重要性が高まっています。

例えば、下記の「一般財団法人 ネットショップ能力認定機構」では、すでに学校・教育機関向けの「カリキュラム例、事例」を作成し、大学や専門学校の講義に利用されています。
http://acir.jp/qualifications/example.html

こうしたカリキュラムがより若年層の学生に対して教育化されることも、近い将来あり得ることでしょう。
すでに、「電子商取引」は高校生用カリキュラムとして、このようなテキストで用意がされています。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/06/01/1282000_14.pdf

電子商取引 教科書

上記の84ページには「ウェブデザインと広告・広報」という内容も含まれており、(もちろんECサイト構築という形ではまだなさそうですが)ネットショップに関する理解を深めるための基礎的な下地は固められるようになっていますね。
こうした学習の普及で、場合によっては、高校生がネットショップで多大な利益をあげる時代もすぐそこに迫ってきているでしょう。非常に楽しみでもあります。

文系と理系だけには分けられない、学習カリキュラムの多様化

近年、様々な職種につける=仕事の細分化・多様化が起きている中で、簡単に「文系」「理系」とだけわけて教育をするような時代ではなくなったことが、このカリキュラムの多様性から見てとれます。

「高等学校学習指導要領」の第51条には、
「ニ 社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき,個性に応じて将来の進路を決定させ,一般的な教養を高め,専門的な知識,技術及び技能を習得させること。
 三 個性の確立に努めるとともに,社会について,広く深い理解と健全な批判力を養い,社会の発展に寄与する態度を養うこと。」
とあり、自身の進路をある程度、高校時代に決めておき、より大学・専門学校、しいては社会に出て深い学習ができるよう、カリキュラムが拡がっていった経緯が伺えます。

ただ一方で、「共通する学問」においては、まだ情報処理やデザインの分野は介入してきていません。英語は当然のごとく「必須項目」になりますが、ITはまだまだ進路によって深く学ぶかどうかは分かれてくるようです。

もちろん、今の時代、直接「IT」の学習ではなくても、ツールとして各教科にデバイスが取り入れられ、自ずと触れていることは間違いないでしょうし、先日記事にしました「Google Classroom」のような教室のIT化が進むことで、益々ITと寄り添う教育が活発になるでしょう。

私達も専門教育だけでなく、こうした学生達に向けたIT需要を拡大できるお手伝いを考えていこうと思います。

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本日の更新者:
高田

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