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人間関係での自分自身の保ち方(前編)

2014年08月11日cra
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おはようございます。

暑い日が続きますね。
私は、職場に着く頃には、シャワーを浴びたの?ってくらいの汗が吹き出しています。
着替えと、ウェットティッシュは必需品ですね。(苦笑)

さて今日のブログは、童話からひもとく「人間関係術」をお送りいたします。

6月のブログで、童話劇「青い鳥」のお話から、
「何が自分自身に向いているのか?何がしたいのか?」という疑問に、
一筋の光を当てた内容をお送りいたしました。

まだ、お読みでない方は、こちらからご覧下さい。

6/16 やりたいことが分からない!自分探しの旅(前編)
6/23 やりたいことが分からない!自分探しの旅(後編)

自分自身で言うのもなんですが、
『「童話」から、日常の疑問をひもとく鍵を得るというのはスバラシイ!』
っということで、

今回も、童話から日常の疑問をひもとく鍵を見つけてみましょう!

 

今回は、日常生活や仕事の中で、たくさんの人と接することがあると思います。
人と接することに素直に楽しさを見いだせる人はいいのですが、

そうではない人もいることでしょう。

どういう風に人間関係を築き、自分自身を保つことが良いのか、
それを童話からひも解いていきましょう。

また今回も、前回の6月の「青い鳥」同様、

「前編」では、童話の「内容」をお話しいたしまして、
「後編」で、日常生活等の人間関係につなげて、お話ししたいと思います。

 

アンデルセン童話

 

今回、私が選んだ翻訳本は、
ハンス・アンデルセン著『アンデルセン童話集』荒俣宏訳

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アンデルセン童話は、多くの国で
「子どもにふさわしくない世界観が表現されているため、
原文が省略されたり、改ざんされている。」というのは、
最近ではみなさん周知の事実となっています。

日本でも同様に、子ども向けという配慮がされて、
教育上好ましくないと、省略されたり、改ざんされたりしています。

 

荒俣氏は『アンデルセン童話集』の解説で、以下のように説明しています。

さて、わたしは、1993年から94年にかけて、おなじ新書館のお世話でカイ・ニールセンおよびエドマンド・デュラックの挿絵入り『アンデルセン童話』全三巻を出版させていただいたことがある。
その解説のなかで、わたしは、アンデルセンの作品が多くの国において「子どもにふさわしくない死のにおいや性への言及にあふれているため、アンデルセンの文章表現が食略されたり、改ざんされたりした」話を書いた。巌谷小波の訳なども子ども向けの配慮が大きく働いたものだった。「(中略)」しかしそうした配慮にかかわらず、アンデルセンの童話は子どもに対し、大人になっても決して忘れられぬ神秘感と感動とをのこし、この世の残酷さや変えようのない命運の存在を教え続けた。つまり、アンデルセン自身が過ごした実際の生涯とはそういうものだったのである。
魔法はすてきな力だが、同時に残虐でもあることを述べているからこそ、子どもはアンデルセンを通じて賢くなり、悲しみや恐怖にうちかつための「生きていく力」をつちかうことができた。だからこそ、かれの童話が生誕二百年を経た今も世界中で愛読されているのだろう。この事実にこそ、童話の真の役割がはしなくも示されたのだとわたしは思っている。つまり、アンデルセン童話は、子どものままで大人の心を知る「成人文学」なのである。

 

少し長い説明でしたが、
わたしは、少しでも省略や改ざんされていないハンス・アンデルセンの物語を読んで、
ハンス・アンデルセンが伝えたかったことを少しでも理解できればと思い、
この『アンデルセン童話集』を選びました。

わたし自身、この年齢になった今、
もう一度アンデルセン童話や、グリム童話を読み触れることで、
日常生活や人間関係で感じることに、更に深く味わうことができるのではないかと、
今は思っています。

 

さて、では、
今回はアンデルセン童話から物語を一つ、ご紹介していきたいと思います。

ちなみに、少し詳しく物語を語らせていただきました。
私が、注目した点が、盛りだくさんです。

来週、そのお話をさせていただきますので、
しっかり、今回の物語を、感じてみてくださいね。

 

「皇帝の新しい服」のものがたり

 

今回選んだ童話は、アンデルセン童話から『皇帝の新しい服』

そんな題名聞いたことがない人がほとんどじゃないでしょうか。

 

では、みなさん、この名前なら、絶対に聞いたことがあります!

『はだかの王様』

 

そう!今日は『はだかの王様』を取り上げたいと思います。

 

1837年発表『皇帝の新しい服』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%B8%E3%81%AE%E7%8E%8B%E6%A7%98

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〜 こんなお話です 〜

 

ずいぶん昔のこと。
新しい服がとても大好きな皇帝がいた。

さて、そんな皇帝が住んでいる大きな町に、
ある日、2人のさぎ師がやってきます。

かれらは、
「おれたちは仕立て屋で、この世の中で思い浮かべることのできる、
一番美しい服を仕立てる腕をもっている!
服地のほうも、とびきり不思議なもので、ついている地位にふさわしくない人間か、
あるいはどうしようもなく頭のわるい者には、まるで見えない布地で織られている」と、
言いふらします。

それを聞いた皇帝は、
「これを着れば、この国で誰がついている仕事にふさわしくないか、
ひと目でわかるだろう。おろかな者と賢明な者とを選り分けてやろう。」と思い、

かれら2人のさぎ師に、その布地で、皇帝自身の服を仕立てることを命じます。

2人のさぎ師は、徹夜で、からの機織り機に向かい、布地を織る「まね」をし続け、
まじりけのない金糸や、お金をどんどん要求します。
(金糸やお金は、ジャンジャンかれらの懐へ入っていきます。)

そのうち、皇帝は、その不思議な布がどのように織られているのか見たくなります。

ですが、

自分が見に行って、もしも布地が見えなかったら、
今の仕事にふさわしくないか、頭がわるかったらどうしようかと、不安になり、

まず手はじめに、
正直で善良な老大臣に、布の織りあがり具合を見に行かせることにしました。

老大臣は、2人のさぎ師が仕事をしている部屋に入ると、
目を見ひらき驚く!

「ばかな、このわしに布地が見えないなんて!」

老大臣は、思います。
「わしはばか者なのかもしれん。夢にも思わなかった。
こんなことが世間に知れたら、わしは大臣の職にふさわしくない!ということになる。
布地が見えなかったということは、口がさけても言えないぞ!」

そして、老大臣は、皇帝のところへ行き、言います。
「模様といい、色合いといい、皇帝がきわめて満足すべき布地が織りあがってございます!」と。

さてまもなくして、皇帝は、別の忠実な役人に、布地を見に行かせます。
忠実な役人も、老大臣と同じように、どんなに目を見ひらいても、布地は見えません。

役人は、思います。
「おれは自分がばか者ではないことは、よくわかっている!
だとすれば、今の仕事がふさわしくないということになるじゃないか!
このことは他人に知られないようにしなくては!」

役人も、皇帝に言います。
「いやはや、誠にもって魅力的な!」と。

その後、皇帝は、やはり
「一度機織り機織り機にかけてあるうちに、布地を見ておきたい!」と思いしめされ、
選りすぐった側近と老大臣と役人を引き連れて、布地を見に行きます。

すると、さぎ師は、からの機織り機を一生懸命動かしていました。

事前に見ていた老大臣と役人は、
「じつにすばらしい!」と、からの機織り機を指差しながら、声を揃えて絶賛します。

皇帝はそれを聞いて、

「なんだと!私には見えない!私はバカなのか!?
皇帝にふさわしくない人間なのか!?これほどの屈辱ははじめてだ!」と思いながらも、

「いやぁ美しい!いくらほめてもほめたりぬ」と言います。

周りの側近たちも、どんなに目を見ひらいても、布地は見えないけれども、
皇帝に調子を合わせ「美しい!華やかですな!みごとだ!」と口々に言います。
更に、皇帝は、
その2人のさぎ師たちに「仕立て屋の紳士」の称号をもって勲章を与えます。

そこで、皇帝は、側近に
「近々行われる大行進で、このすばらしいふくをめされてはいかがでしょう!」と
すすめられます。

大行進の日、皇帝は、仕立て屋のさぎ師のところへ、衣装をもらいに行きます。

「ごらんください!これがズボン、上着、マントにございます!
クモの巣よりも軽く、服をつけた感じがしません。たいそう美しいものですよ。」と、
さぎ師は言います。

皇帝は、くるりくるりと回らされながら、さぎ師に服を着せられます。
何もないのに・・・。

側近や役人は
「すばらしい模様!色合いこれほど華やかなマントは二つとありません!」と
褒めちぎります。

さて、行進に出かける時・・・。

皇帝は「よいとも、用意はできておる。服の着付つけはうまくいっておるかな?」
と言いながら、鏡の前でひとまわり。

衣装のすそ(もすそ)を持つ側近たちも、両手で長く引きずった服のはしを
地面からつまみ上げる「まね」をする。

そして、両手を宙に浮かせたまま歩き出す。

側近たちも、布地が見えないことがまちがっても人に知られてはならないように・・・。

 

こうして、皇帝は、たいそう豪華な天蓋をさしかけられながら、行進をはじめます。

町中の人たちが、行進を見て、

「皇帝のあたらしいお洋服は、なんてすばらしいのだ!
なんてみごとなもすそだ!完璧というしかないね!」と口々に叫びます。

町中の人が、
地位がふさわしくないだとか、ばか者だとか、他人に思われたくなかったから、
誰も、自分は布地が見えないことをおくびにも出さない。

皇帝にとっても、こんなに賛美を受けたお洋服というのは、はじめての体験だった。

すると、子どもが・・・、

「あの人、何も着てないよ!」っと大きな声で言ってしまう。

その子どもがいった言葉が、徐々に人々に広まり、

「皇帝は何も身に付けていないんだってさ!子どもがそう言ったんだって!」と、
集まった人々は、一斉に大声を上げた。

皇帝も、その言葉が正しいことをご存知だったので、息苦しくなったが、
「いや、いや、いまは、行進をつづけなければ・・・」と思い直し、
前よりも、胸をおはりになった。

そして、側近たちも、見えないもすそを持ち続けた。

 

〜 おわり 〜

 

 

終わりに・・・

 

実は、私は、今読み返してみて、

「はだかの王様」を、大分勘違いしていることに気がつきました。

そして、今読んで、とても良かったと思っております。

本や物語との出会いも、
その時に自分が求めているモノが、目に留まるのだと、改めて思いました。

 

来週は、「このお話の伝えたいこと」や、
「今回なぜ、物語を少し詳細に説明したのか」等を、お話しできたらと思っております。

お盆を挟んでしまいますが、来週まで、楽しみにお待ちください。

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