伝統文化に触れてみよう【続編】〜季節の文様〜
おはようございます!
デザイナー1年生に、学校では教えてくれない、
でも、現場に出たら必要となる事をお伝えできたらと思います。
今日から、10月です!
当協会の事務所がある京都も、いよいよ観光シーズン到来です。
制作の仕事をしていると、ディスクに齧りついて外出する機会が少なくなってきますよね。
今日も、ちょっとブレイク!
先日に引き続き、本日は季節の伝統文様について、お話したいと思います。
春の文様
若松文〈ワカマツモン〉
若竹はその年芽生え出た竹のことで、今年竹、新竹とも呼ばれます。優しいなよやかな姿が好まれて文様化されており、写生風に描いて春の染帯に用いられたりします。江戸時代の安政の頃流行しました。
夏の文様
笹船文〈ササフネモン〉
笹の葉で舟を作り水に流して遊ぶ風習は、鎌倉時代の頃からすでに行なわれていましたが、この舟の形を笹舟文といい、江戸時代の頃からゆかたの文様として多く用いられました。その他のキモノや帯の柄にも見られます。
秋の文様
吹寄せ文〈フキヨセモン〉
種々の落葉や落花が地面に吹き集められた様子を文様化したもので、銀杏・紅葉・松葉・松毬〈マツカサ〉・蔦〈ツタ〉の葉・栗の実など、秋風が運ぶ晩秋の情緒を表わしたり、桜や菊を交えて季節にこだわらず、自由に描かれたものもあります。日本的風情のある文様として好まれています。
稲文〈イネモン〉
稲の形を文様化したもので、染織品に使われることは少なく、紋章として使われることが多いようです。また、京都伏見の稲荷神社の「束稲〈タバネ〉」をはじめ、神紋としても歴史があります。他に、稲波文・稲の丸などがあります。
冬の文様
雪輪文〈ユキワモン〉
雪の文様の1つで、雪の結晶に見られる美しい六角形の輪郭を円形に描いた文様です。桃山時代の能装束などによく見られ、「雪花図説」の結晶図は有名です。雪輪の中に他の文様を描いたり、文様の区切りに用いたりもします。振袖・留袖・小紋・帯など幅広く用いられています。
雪持柳文〈ユキヤナギモン〉
枝垂〈シダレ〉柳の葉に雪の積もった様子を文様化したもので、桃山時代に流行しました。遺品の中では、上杉神社蔵の胴服〈ドウフク〉や岐阜春日神社に伝わる縫箔などが優れたものです。雪持ちの文様は他にも、雪持笹・雪持椿など、様々な植物で表わされています。
おわりに
本日は、季節に関連した文様をご紹介しました。
着物は、TPOはもちろんですが、四季の花にも沿って楽しまれています。
ちなみに、10月の花は下記のようなものがあります。
10月 神無月
秋の七草(萩・薄・葛〈クズ〉・撫子〈ナデシコ〉・女郎花〈オミナエシ〉・藤袴・桔梗)・姫薊〈ヒメアザミ〉・菩提樹〈ボダイジュ〉・七竈〈ナナカマド〉・小連翹〈ショウレンギョウ〉(和名は弟切草〈オトギリソウ〉)・梅擬〈ウメモドキ〉・千振〈センブリ〉・菊・錦木〈ニシキギ〉(きんもく)・吹上菊〈フキアゲギク〉山帽子〈ヤマエボシ〉・杜鵑草〈ホトトギス〉
着物を着る機会は、あまりなくても季節の花やデザインには、是非触れていたいですね。