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「北風と太陽」から人の本質を読み解く

2014年12月22日cra
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本日のブログは、
30代女性会社員Mさんからのリクエストです。

「北風と太陽」のお話について教えてください!

というわけで、

過去の記事「青い鳥」や「裸の王様」に引き続き、

<メーテルリンク著『青い鳥』>
2014年6月16日記事: やりたいことが分からない!自分探しの旅(前編)

2014年6月23日記事: やりたいことが分からない!自分探しの旅(後編)

 

<ハンス・アンデルセン著『アンデルセン童話集』>
2014年8月11日記事: 人間関係での自分自身の保ち方(前編)

2014年8月18日記事:人間関係での自分自身の保ち方(後編)

 

 

今日は、「北風と太陽」のお話。

私自身も、「北風と太陽」をしっかり読んだことがなかったので、

岩波文庫より出ている中務哲郎訳「イソップ寓話集」を手に取りました。

 

「北風と太陽」の全文

 

北風と太陽がどちらが強いかで言い争いをした。

道行く人の服を脱がせた方を勝ちにすることにして、北風から始めた。

強く吹きつけたところ、男がしっかりと着物を押さえるので、

北風は一層勢いを強めた。

男はしかし、寒さに参れば参るほど重ねて服を着こむばかりで、

北風もついに疲れ果て、太陽に番を譲った。

太陽は、はじめ穏やかに照りつけたが、男が余分の着物を脱ぐのを見ながら、

だんだん熱を強めていくと、男はついに熱さに耐えかねて、

傍らに川の流れるのを幸い、素っ裸になるや、水浴びをしにとんで行った。

説得が強制よりも有効なことが多い、とこの話は説き明かしている。

 

「イソップ寓話集」岩波文庫

IMG_0437_1

 

驚くことに、
子ども向けの絵本等で多数出版されている「北風と太陽」は、
文字量としては、これだけなんですね。

岩波文庫の「イソップ寓話集」に載っているお話は、
471話掲載されているのですが、どのお話も、短編も短編。

そして、はしょるところがないくらいまとめられたものです。

また、それぞれのお話の最後には、

教訓のような文章がついており、一話一話、
じっくり考えさせられるものになっています。

さらに、
寓話を作ったイソップが実在していたかどうかが不明な点に加え、
イソップ寓話が、紀元前600年以上も昔から存在している

というのにも驚きです。

 

紀元前600年も前から、人間の本質的要素は変わらない。

 

今、人としての100年にも満たない寿命を全うしようとしている私たちが、
感じていること、考えていることも、
人類史の一部なのだということを、しみじみ感じることの出来る事実ですね。

 

「北風と太陽」の内容

 

そんな2000年も3000年も前から存在しているお話「北風と太陽」。

旅人の服を脱がすという力比べを、北風と太陽がして、
北風は力任せに頑張ったが、力尽き、
その後、太陽は、状況を見ながら戦い、

太陽が北風に勝つ

というお話。

「説得が強制よりも有効なことが多い」という文章でこのお話が終わっています。

キーワードとしては、「説得」「強制」「有効」この三つ。

北風が、「強制」
太陽が、「説得」
勝つが、「有効」

 

人間関係において、どんな場合でも当てはまると思いますが、

 

「北風と太陽」から読み解けるものは、

人の行動を、動かすには・・・、

どうだと言わんばかりの強引さより、

その人が、自分からそうしたい気持ちにして行動させるように促すことが
必要だということ。

それはその通りだと思います。

 

ですが、

ここで、私が思うのは、

なぜ「北風」と「太陽」が、力比べをすることになったのだろうか?

北風は、「風を吹かす」という能力を持っていて、
太陽は、「熱を加える」という能力を持っていて。

どちらもそれぞれ能力が違う。

私自身が不思議に思ったのは、

「それぞれ能力が違うのに、なんで、力比べをしようとなるのだろう?」
ということ。

思いませんか??

 

そう思ったとたんに、ふと気づきました。
「比較することに意味はあるのか?!」ということが言いたかったんじゃないのかと。

 

人間も同じこと。
みんなそれぞれに持っている能力は違う。

個人個人、力比べしたところで、それぞれ得意分野や能力が違う。

ある特定の分野では、誰かよりも勝っているけど、
ある特定の分野では、誰かよりも劣っている。

それは、誰もがそう。

ということは、

個人個人が、
ある特定の分野だけにおいて力比べすることに意味があるのか?

 

確かに、この「北風と太陽」は、
「説得が強制よりも有効なことが多い」という事を伝えたい
お話なのかもしれませんが、

「それぞれの能力を適材適所で役立てましょう。」とも
解釈できるのではないかと、感じました。

 

一説によると、

北風と太陽は「旅人の服を脱がす」力比べの前に、

「旅人の帽子を脱がす」という力比べもしているようで、

その力比べは、「北風が勝った」ようです。

 

終わりに・・・

 

今日は、30代の女性会社員Mさんからのリクエストで、
イソップ寓話「北風と太陽」についてお話をさせて頂きました。

その女性の詳しいお悩みは聞いておりませんが、

やはり仕事もプライベートも、悩みのタネはただ一つ!

「人間関係」です。

自分自身の思い込みや価値観と、他人の思い込みや価値観の相違が、
不協和音になってしまうことは多々あります。

それを解決するのは、「お互いの人間性を認めること」。

「北風と太陽」で言えば、
北風も太陽も、お互いの能力を認め合えば良かったんじゃない?
と思ったりもしてしまいます。

 

逆に、私個人的には、
「北風と太陽」の物語が変わってしまいますが、

北風と太陽がそれぞれの能力を認めて、力を合わせて、
「旅人の服を脱がす」事に成功した!

という結末も、ありかも!?と考えてしまいました。

 

「比較」してしまうのが、人間の性(サガ)だとも思いますが、

少し考え方を変えて、

自分と他人の価値観の相違や、相手の人間性を認めて関われば、

少し、心のわだかまりもほぐれるのではないでしょうか。

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